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板締め絞りと藍染

藍染で板締め絞りの手ぬぐいを染めています。

板締め絞りは布を規則正しく(時にはほどよくテキトウに)畳んで上下を木型で挟み染める技法。
最も古い絞り染めのひとつで、ヒトが布に模様を施そうとした時に早い段階から用いられた染め方です。

三日月荘でオリジナルの布をつくることを始めた時から、この技法を使っていました。
比較的カンタンに柄をつくれるところ、幾何学が生まれる面白さ、描いたデザインになるように色を重ねていくプロセスや、よい柄がつくれそうな木型を思いついてつくらずにいられなかったことなど、いろいろな理由からです。

今までは化学染料や泥の鉄分で染めるベンガラ染料を多く使っていましたが、今年の秋から藍で染めています。

板締めの特徴として、染料のにじみや柄のエッジのボケ味、畳んだ外側と中心部で染料の入り方が違いうまれる濃淡などがあげられます。
この板締めならではの良さは藍で染めるとより一層引き立ちます。

藍染の経験がある方はご存知かと思いますが、藍はとても勢いのある染料です。
“生命力がある”というほうが正しいかもしれません。

何ヶ月も発酵させてつくった染料の元である“すくも”を、天然の灰汁や化学の力で呼び戻すようにして染めていきますので、そのはかなくも力強い生命力を感じるのです。
染液に入れた後空気に触れて発色しますので、型を外して布を広げる間にもどんどんと滲んでいきます。
そうして白く抜けるところに入り込んでいった藍の表情がとてもよく、その布のもつ個性をつくりだしてくれます。

藍はロウケツで染められることが多いのですが、蝋で伏せたところにも色が入るので、蝋の置き方に強弱をつけて豊かな濃淡の表現ができるところがその大きな理由です。
板締めの場合にもそのロウケツで生まれたような濃淡ができ、規則正しい幾何学のなかに作為の及ばない自然な表情がうまれるデザインは大変面白い仕上がりだと思います。

これからも板締め絞りと藍染の組合せで、布を染めたいと思います。

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うつくしい発色の草木で染めた帯揚げができました

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